【消え行く風情】五条楽園の思い出・備忘録

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先日仕事で京都を訪れました。

私が住んでいた当時は外国人といえばほぼ欧米人でしたが、現在では見たとこ6〜7割の旅行者がアジア人のように思えました。 参考: 京都府 平成27年京都府の観光入込客数等について

ただでさえ歩道が狭いうえに、この人出…。用事を済ませて久しぶりの河原町をぷらつこうと思っていたのを早々に諦め、かつて住んでいた近所を散策しようと五条方面に向かったのであります。

kyoto

 

かつて五条に『楽園』あり

五条には楽園があったのをご存知でしょうか。(というか知らなきゃこのブログに辿り着かないですが)

まあ男性の「楽園」ですよね。私にとってはワンダーランドでした。

私はこの近辺に6年程住んでいたことがあります。当時は現役バリバリの街でした。といっても、住み始めて1年経過した辺りで「ええ!そういう所だったの!」と知った私は初心というかどんくさいというか…とにかく、京都によくある風情ある料亭かお座敷かとずっと思っていました。

生活圏の中にとても自然に溶け込んでいたので気づかなかったのかもしれません。普通の生活臭がそこにはあり、某団体も事務所を構えている土地ゆえ、黒塗りのセダンやパトカーがよく停車していたのを覚えています。(再訪時は機動隊の大型輸送車が停まっていた)今考えると、清濁併せ呑む街だったんですね。

 

知って驚愕したヨソ者

当時付き合っていた彼が、我が家に遊びにきたとき「道のオバハンが話しかけてくる」と言ってきました。それを聞き「なんじゃそりゃ」と思っていたのですが、その後注意して観察すると、お茶屋の前に立ち道行く人を伺っているオバちゃんがいるではないですか。

もちろん私と彼が一緒の時は、声をかけることはありません。しかし、彼が単独で歩くと昼夜関係なく『引き』があったようです。

自分が住んでる目と鼻の先に、そそそんな場所があるなんて!! 俄然好奇心が湧いた私は、それ以来注意深く歩くように心がけました。

 

高瀬川がせせらぐ側に伝統的な家屋が並び、夜になるとその軒先の提灯に明かりが入ります。夜の祇園や先斗町の雰囲気に似つつも、ジメッとした妖艶なムードが広がります。

なるべくゆっくり歩いて多くの情報をキャッチしようとするも、オバちゃんがいる手前もありジロジロ見ることはできません。道幅も狭く、人通りも少ないため、遠巻きに観察すると目立ってしまいます。なにしろ普通のお宅も多い場所です…。

建物は京町家風のものから大正ロマンな西洋風のものまで立派な建物が多く、こざっぱりとしていて、丁寧に掃除が行き届いているのが分かります。( こちらのブログは写真が多く参考になります。 レッドゾ~ン【赤線跡(遊郭跡)探訪】 京都 五条 )

玄関先に金魚鉢を置いているお茶屋が多く、水槽に明かりが入っている時は営業中、消えているときは準備中という合図になっているようです。

余談ですが、五条楽園付近に鴨川を臨める雰囲気のいいカフェがあるのですが、その店にも金魚の水槽がありましたね(現在は不明)。五条楽園のその慣習を引き継いでいるのだとか。

 efish オーナーは元Appleデザイナーの西堀晋氏

 

着物の女性

注意して見たあたりから、女性にも気付くようになりました。目撃するのは夕方〜晩が多かったですね。浴衣を着ていました。冬はどうだったかな…すみません覚えていません。女性は地味な方が多く、薄化粧で控えめな雰囲気だったのが意外でした。

詰め所である「置屋」があると思うのですが、あれってどういうシステム何でしょうかね?いつも置屋に待機しているのか、客を取ったときに自宅から向かうのか、未だに謎です。置屋に常駐するほど繁盛している風にも思えませんでした。

 

摘発

2010年京都府警による一斉摘発が入りました。売春防止法違反容疑でお茶屋と置屋の経営者らが逮捕され、それ以降全てのお茶屋と置屋は一斉に休業しているようです。

再訪時には、かつてのお茶屋が取り壊され、駐車場になっていたり、現存していても人気はなく荒廃しつつある建物もありました。

 

ウロウロすると雰囲気が分かります

 

付近には1915年に建てられた五条会館(旧五条楽園歌舞練場)もあり、五条楽園で働く女性たちは芸を磨いていたとのこと。現在でも舞台や観劇に使用されているようで、私がいた当時は和装コスプレの人たちのイベントも開かれ有効活用されていました。

 

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